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第2章 地域福祉保健を取り巻く状況

1 統計で見る保土ケ谷

少子高齢化の進展
人口推計によると、今後更に少子高齢化が進み、人口全体も減少していきます。平成37年(2025年)には65歳以上の割合(高齢化率)は28.8%と平成27年9月末から3.6%増加、75歳以上の高齢者人口は約1万人増加すると推計されています。

“高齢者が元気に暮らし続けられるまち”“子育てしやすいまち”をみんなでつくっていく必要があるね。

一人暮らし・夫婦のみ世帯の増
一人暮らしの世帯は年々増加する一方で、1世帯当たりの人数は減少傾向にあり、平成37年には2.2人になると推計されています。
特に高齢者の一人暮らしの世帯は平成12年から22年の10年間で約1.8倍となっており、孤立などの課題に直面しています。

家族だけでなく、同じ地域に住んでいる人たちとも助けあって生活していければいいね。

生活習慣改善の大切さ
悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患などがもとで亡くなる方が多くなっています。生活習慣を改善することで予防につながる場合もあるため、早い段階から運動や食事などに気を付けることが重要です。

生活習慣の改善は、認知症になる確率を減らすことにもつながります。

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誰もが自分らしく地域で暮らすために

要介護認定者の増加
平成22年3月から27年3月までの5年間で要介護認定者(要支援以上)が約2,000人増加しています。また、要介護認定者のうち約55%に認知症があるという推計もあります。自立した生活を長く続けるためには、健康づくりや介護予防が重要です。

元気な高齢者の活躍
一方、要介護認定を受けていない方が高齢者全体の8割以上を占めています。元気な高齢者を増やし、その力を生かしていくことが大切です。

地域における子育て支援の重要性
児童相談所(市全体)での新規虐待把握件数は、平成21年度から26年度までの5年間で約300件増加しています。
子どもの虐待やいじめなどを未然に防ぐためには、学校との連携や地域全体での見守りが大切になります。

障害者への理解とつながりづくり
平成27年3月末時点での障害者手帳所持者数は、約9,400人(区全体人口比で4.6%)となっており、平成22年3月末から比較すると約1,200人増加しています。
お互いに理解し合い、同じ地域の中でつながり合える関係づくりが求められています。

コラム 保土ケ谷が100人の村だったら・・・

保土ケ谷区の状況についてもう少し身近にイメージしやすいように、約20万人の人口を100人に換算してみました。

47世帯
(うち17世帯が一人暮らし)

0歳の赤ちゃん 1人
65歳以上の高齢者 25人
認知症がある方 2人

要介護認定者 4人
障害者手帳所持者 5人
生活保護受給者 2人

外国人 2人

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2 アンケートで見る保土ケ谷

保土ケ谷区地域福祉保健アンケート

調査概要
調査時期 : 平成27年1月
調査対象 : 保土ケ谷区在住の18歳以上4,000人(住民基本台帳から無作為抽出)
調査方法 : 郵送によるアンケート形式
回答数: 2,091人(回答率52.3%)

見守り・支えあいの活動が求められている
今後、地域で充実してほしい福祉保健活動について、「見守り・訪問活動」や「高齢者等の食事会・配食サービス」などが上位を占めました。身近な地域での支えあいの取組が必要とされています。

地域活動への参加は内容が大事
仲間、手伝い程度の気軽さもポイント
どのようなことがあると地域活動に参加しやすいかについて、約半数の人が「参加したい内容であれば」と回答。「一緒に活動する仲間がいれば」、「お手伝い程度であれば」と回答した人がそれぞれ約3割いました。内容の充実だけでなく、参加への工夫も重要な要素となっています。

地域活動で、いきいき!
いきいきと生活していると感じているかについて、いきいきと感じていると回答した人ほど、地域活動を行ったことがある割合が多くなっています。

保土ケ谷区子育てアンケート

調査概要
調査時期 : 平成24年5月~平成25年1月  
調査対象 : 生後4か月児~3歳児を養育している保土ケ谷区在住者
調査方法 : 乳幼児健康診査(4か月児・1歳6か月児・3歳児)対象者への郵送によるアンケート形式
回答数: 2,094人(回答率69.5%)

子どもの成長に地域との関わりは「必要」
子どもの健やかな成長や自立のため、近所や地域の人との関わりは必要かについて、子育て中の方の9割以上が、地域との関わりを必要と考えていることが分かりました。

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3 「トークほどがや」で見る保土ケ谷

★「トークほどがや」実施概要★
保土ケ谷の魅力や将来像をざっくばらんに語り合うワークショップ「トークほどがや」を開催しました。当日は中学生から80代の方まで幅広い年代の方々152人が参加し、ワールドカフェ形式で自由に意見を出し合いました。
日時 : 平成26年7月19日(土)13:30~16:00
場所 : 西谷地区センター体育館

★ ワールドカフェって??
カフェにいるときの気軽な雰囲気」で「会議のような真剣な討議」ができる話し合いの方法です。
テーマごとに席替えをするので、多くの方と意見交換ができます。

ほどがやに住んでよかったこと。
ほどがやはどんなまち?
・山坂が多いがそのおかげで足腰が鍛えられ、ご近所同士の助けあいも生まれている。
・横浜国立大学や保土ケ谷公園、保土ケ谷宿など、様々な地域資源がある。
・地域を愛している人が多く、人情に厚い。絆が残っている。

10年後のほどがや大予想。どんなまちになっている?
・地域によっては駅周辺の人口が増えるかもしれないが、高齢化が進み、認知症や一人暮らしの方が増える。
・山坂で鍛えられた元気な高齢者も増え、担い手として活躍している。
・子育てを地域、社会全体で支えるまちになっていたい。
・相鉄とJR・東横線の直通線開通により町並みが変わるが、緑、畑、寺、神社、あいさつの習慣などの今の良さを残していきたい。

10年後、より良いほどがやであるためにできることは?
・自治会町内会の当番や地域の清掃など、それぞれができることをできるだけやろう。
・ボランティア、地域活動の後継者の育成。国大生などの学生たちともコラボレーションしたい。
・より良い地域づくりは地域の資源を知ること。保土ケ谷の良さを積極的に見付けよう。

(皆さんの想いが書き込まれた模造紙)

参加者の皆さんから口々に出た言葉は「保土ケ谷が好き」ということでした。
地域・年齢・性別・立場などが異なる様々な方が、「ほどがや」というキーワードで話し合い、想いを1つにできたこの時間は、とても有意義で大切な機会となりました。
「トークほどがや」のような話し合いは、その後、各地区において地域を改めて見つめ直す手法の1つとして、広がりを見せています。

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コラム 区内の活動団体、関係機関にインタビューしました

地域の一員として、青少年を輪の中に入れることが必要。乳幼児から高齢者までいる中に混ざることで、色々な見方、価値観に触れ、人との距離感をつかめるようになる。
自立に向けた若者の居場所づくり、総合相談窓口
【よこはま西部 ユースプラザ】

地域の方から声をかけてもらえることが嬉しい」という利用者の声。いかに今まで孤立してきたか。仲間だと感じられる温かい見守りが支えになる。
障害者の地域での日常生活を見守る後見的支援事業を実施
【障がい者後見的支援室 ほどがやゆめあん】

在住外国人の中には話を聞いてもらえる場がない人もいる。在住外国人が孤立せず、地域の中で顔の見える関係がつくれたら。
多言語による生活情報の提供、相談
【保土ケ谷区 国際交流コーナー】

子ども同士はすぐに仲良くなるので、子どもを遊ばせながら、母親同士で情報交換をしている。つながっていると感じると安心できる。
子育てママサークル
【ちゃいるどまま】

学生のアイディアを、地域の方たちが自由にやらせてくれて、協力もしてくれる。
地域とつながるのは、勉強になるし、楽しい。
横浜国立大生によるまちづくり団体
【ワダヨコ】

活動を始めたのは自分のためで、生きがいにもなっている。
できる範囲で楽しみながら。
日曜大工、介護施設での麻雀の相手など男だから得意なことがある。
男性のボランティアグループ
【そこそこ手伝い隊】